犬の幸せと健康を願う、
  犬のためのウェブマガジン。

犬の喧嘩:理由と止め方、回避方法についてのまとめ

犬の喧嘩の理由と止め方、回避方法についてのまとめ

 犬は縦社会の生き物です。
 強いものがリーダーとなって群れを守り、群れのメンバーはリーダーに服従し、社会を形成する。長い間、そうして支えあいながら生存競争を生き抜いてきた犬という生き物は、やがて私たち人間と出会い、人間社会の一部になりました。
 そのパートナーである人間が都市生活を始めたことで、たくさんの犬が一頭飼いされるようになったことから、喧嘩の仕方を知らない犬が増えてしまうという問題が持ち上がってしまいました。
 ここでは、ペットとしての犬の喧嘩についてご説明します。

①どうして、犬は喧嘩をするの?

 コミュニケーションの一環として、《ケンカ》をすることは、犬の習性の一つです。
 群れをしっかりと形成するためには、序列を明確にする必要があります。その順位を付けるために、《ケンカ》が発生することがあります。特に、仲間たちの上に立って、自分こそが群れを統率していこうという欲求の強いオス犬たちの間には、このタイプの《ケンカ》が多いとされています。

 また、遊びの延長にあるじゃれ合いとしての《ケンカ》を通し、噛む力の加減や勝敗などを察することで、仔犬たちは親犬や兄弟犬、群れの先輩犬たちから、犬社会のルールを学ぶこともできます。
 しかし、人間だけに囲まれて育つ一頭飼いの犬の中には、そうした《ケンカ》の作法が分からず、他の犬とコミュニケーションとしての《ケンカ》をするべき場面で、攻撃性だけを押し出した本気の喧嘩をしてしまうことがあります。
 そうした《ケンカ》の遊び方を知らない犬には、じゃれ合いと喧嘩の区別は付きません。
 そのために、唸り声をあげたり、歯をむき出しにしたり、相手に噛みつく素振りを見せたりして、むやみに自分のテリトリーを主張したりしがちです。反対に委縮してしまい、身体の震えが止まらなくなってしまったり、ケージがら出ることができず引きこもり状態になってしまったりすることもあります。

 また、多頭飼いの犬の間で発生する喧嘩は、食べ物への執着が引き金になることがあります。
 同じ量の餌を平等に与えていても、ほかの犬が食べている分が羨ましくなってしまって、喧嘩をふっかけてしまう犬がいる場合には、対策としてのシツケが必要になってきます。
 その場合に行うシツケの目的は、問題を起こす犬に、彼の属する群れの序列をハッキリと教えてあげることにあります。
 シツケの方法としては、餌の時を活用するのが良いでしょう。
 地位の高い犬から順番に餌を与えることで、飼い主>地位の高い犬>問題犬という序列を目に見える形にすることで、問題犬はその群れのルールを学ぶことができます。それさえ分からせてあげられれば、犬という社会性のある生き物が、食べ物への執着から喧嘩を引き起こす可能性は、ぐっと抑えることができます。

 さらに、新しいメンバーが群れに加わる場面においても、喧嘩が発生することがあります。
 基本的には、新しい犬が先住犬に喧嘩を吹っかけても、群れの中での存在感や、多くの場合においては体の大きさ、力の強さなどがあるため、深刻な問題にはなりません。社会性のある先住犬が、「自分の方が強い」ということを知っていて、群れの調和のために手加減してあげるからです。
 だからこそ、この先住犬の方にストレスが溜まってしまい、堪忍袋の緒が切れるようにして、新しい犬に攻撃性を表してしまうことがあります。
 新しい犬が仔犬であったりすれば、成犬の反撃でケガをしてしまう可能性もありますから、新し犬の先住犬に対する態度に度を越したところがあるようなら、飼い主が新しい犬を制止してあげることが必要でしょう。

 最後に、妊娠中のメス犬は、精神的・身体的なストレスから不安定になっていることが多いことから、喧嘩っ早くなってしまうと言われています。
 大事な時期にケガでもしてしまっては大変ですから、できるだけストレスのかからない状態に保ってあげることはもちろん、普段のじゃれ合いが喧嘩に発展してしまわないよう、よく目を配ってあげる必要があるでしょう。

②犬の喧嘩対策って?

 犬はもともと、狩りをして生きる動物でした。そのため、動物の弱点や急所をいち早く見抜き、的確に攻撃する能力を持っています。もしも犬同士が本気で喧嘩を始めてしまえば、流血の大惨事になっても不思議はありません。

犬の喧嘩を避ける方法

 自分の飼っている犬同士の喧嘩を避けるためには、先に述べたような犬同士の序列を安定させるためのシツケと、犬同士のおだやかな触れ合いを通した社会化を行うのが良いでしょう。
 また一頭飼いの場合も、仲の良い犬友達の飼い犬さんに協力してもらうなどして、ゆっくり気長にトレーニングを続けていくことで、状況を改善していくことは可能です。

 犬の喧嘩について、特に深刻な問題になるのは、知らない犬とトラブルを起こしてしまった時でしょう。
 自分の愛犬をきちんとシツケることが出来ていても、散歩で出会う知らない犬がトラブルを持ち込んでくる場合があります。
   シツケのできていない犬の行動は予測できません。少しでも「おかしい…かも?」と思い当たるようなフシがあれば、相手を刺激しないようにその場を離れることが必要です。

 また、相手に喧嘩を吹っかけられた側だとしても、愛犬の反撃が相手を傷つけてしまえば、問題が大きくなってしまいます。
 そうした事態を招かないためにも、「まて」や「来い」など、愛犬の行動を止められるコマンドを、しっかりと身につけさせておくことが必要でしょう。
愛犬の身の安全を確保できれば、問題のある犬と必要以上の関わり合いを持つことになる前に、さっと立ち去ることが出来ます。
 ほほえましいと思っていた、一見して無邪気なじゃれ合いが、本気の喧嘩に発展することもあります。
 何よりもまず、飼い主が常に愛犬の安全のために警戒を怠らないことが必要です。

犬が喧嘩をしてしまったら?

 攻撃性の強い犬に絡まれた場合には、水をかけて追い払うのが手っ取り早いのですが、手近に水場があることの方が少ないでしょうし、相手の飼い主に自分の犬を制止するよう求めたり、周囲に助けを求めたりと、臨機応変に対応する必要があります。
 相手が野犬であったり、健康管理の不十分な犬であったりすれば、どんな病気を持っているか分かりません。
犬だけでなく、飼い主本人も、ケガをしないうちに撤退を決め込むことは重要です。

 もしも愛犬がケガを負ってしまったら、飼い主としてはパニックに陥ってしまっても不思議はありません。一刻も早く何かしてあげなくてはと、空回りしてしまうこともあるかもしれません。
 しかし、そこをグッとこらえて、愛犬のために冷静な判断をできてこそ、群れのリーダーといえるのではないでしょうか。

 まず、愛犬が噛まれた直後に、キズを見ようとしてはいけません。
 噛まれた犬は、そのことに興奮して神経過敏になっています。その過度な緊張から、飼い主を噛んでしまうこともあります。様子を観察する間だけ、ほんの少し時間をおいて、愛犬が冷静さを取り戻してから、噛みキズの状況を確認することをお勧めします。

 噛みキズというのは、小さいように見えても、意外と深い場合があります。犬の場合は、皮膚が毛に覆われているせいで、ケガの全体像がつかみ難いので、注意が必要です。また、噛みキズというのは上下の歯で付くものなので、一か所キズがあれば、近くに別の傷口がある可能が高いことも、覚えておいた方が良いでしょう。
 傷を発見した場合、出血があるようなら、清潔なタオルやガーゼの上から圧迫して止血し、素早く病院に連れて行きましょう。犬に限らず、生き物の口には様々な細菌が住んでいるものです。噛みキズは膿んだり炎症をおこしたりしやすいので、適切な治療を受ける必要があります。

 キズを負った箇所で特に注意が必要なのは、目と耳です。
 目と耳は圧迫して止血することが出来ません。できるだけ安静にさせてうえで、清潔なシーツやタオルにくるんだ状態で、可能な限り早く病院に連れて行ってください。

 また、ケガが完治しても、心のキズが癒えないままになる犬もいます。
 深刻なトラウマを抱え、ほかの犬を見るだけでも震えが止まらなくなったり、夜泣きや分離不安を起こしてしまうことも多く、日常生活をスムーズに送れなくなることもあります。
 その場合には、愛犬とのコミュニケーション強化を図り、根気強く心のケアを行うより他にないでしょう。
 







合わせて読みたい関連記事

犬人 -INUJIN- > 成犬の飼い方 > 犬のしつけ・トラブル > 犬の喧嘩:理由と止め方、回避方法についてのまとめ

人気記事ランキング

ApplisionのRSS