愛犬の偽妊娠(想像妊娠) 適切な対応方法
交配したわけでもないのに、犬が妊娠したかのような症状を見せて、驚いたことはありませんか?
もしかすると、それは想像妊娠かもしれません。
① 犬の想像妊娠ってどんな感じ?
正直なところ、「犬が想像妊娠?」と、ギョッとされる方も多いと思います。
ですが、偽妊娠や疑似妊娠と呼ばれる症状に陥る雌犬は、存在します。その時、犬の身体にはどのようなことが起きているのでしょうか??
犬の生理(ヒート)では、生理の血が止まってから排卵が起き、そこから7~10日間にわたる発情期が始まります。この期間に交配が行われると、妊娠することになります。
発情期が終わってから60日前後の期間を、発情後期と呼びます。
この期間中は、まだ妊娠を助ける働きをする黄体ホルモンの分泌が止まらないので、多くの雌犬の身体は、赤ちゃんを待っている状態になってしまいます。これが犬の想像妊娠である、偽妊娠の正体です。
偽妊娠が起こると、犬の身体と行動の両方が、子育ての準備に向かいます。
身体の面では、いわゆる悪阻(つわり)による嘔吐や食欲不振、その他の不調のために、胸のムカつきを抑えようと草を食べたがったり。また逆に、食欲旺盛になったり。
お腹が膨らんだり、お乳が出てきたりすることもあります。
行動の面では、悪阻の不快感から苦しい声で鳴きはじめたり、タオルや新聞紙を使って巣作りを始めたりもします。
ストレスから落ち着きを失い、分離不安を抱くこともあれば、攻撃的になること、外部との接触を嫌がって、散歩に行きたがらなくなることもあります。
赤ちゃんを持っていると錯覚している期間は、想像上の妊娠期間だけではなく、想像上の出産後も続くことがあります。
ヌイグルミや、時にはボール等のオモチャなどを、自分の子どもだと錯覚して授乳しようとしたり、抱きかかえたまま片時も離さなくなるなどの行動を起こすこともあります。
② 犬の偽妊娠対策って、どうしたらいい?
犬の偽妊娠には、パッと効くような対処法はありません。
生理をめぐるホルモン・バランスの移り変わりから起きる症状なので、黄体ホルモンの分泌のスイッチを押す生理を無くす、避妊手術を行ってあげることが、有効な偽妊娠対策だとされています。
なかには、避妊手術をしていても偽妊娠を繰り返す犬もいるそうなので、その場合には病院で相談することをお勧めします。
偽妊娠だけなら、黄体ホルモンの減少とともに収まることの多い生理現象と言えそうですが、偽妊娠が病気を誘発する可能性には、注意しておいてあげなくてはなりません。
たとえば、偽妊娠によって母乳が出るようになった犬が、自分で自分の乳を舐めてしまって、乳腺炎を起こしてしまったり、生理の度に偽妊娠を繰りかえすことで、子宮内膜にも悪影響を与えることがあります。
乳腺炎がひどくなると、発熱したり、しこりができたりします。乳腺炎が起きた場合の対処としては、洋服を着せて舐めさせないようにするなどの対応が必要です。乳腺腫瘍についても注意した方が良いでしょう。
また、偽妊娠が長期間にわたると、その間ずっと犬の子宮内膜が充血している状態のままになってしまいます。このことが、子宮の中に膿のたまる子宮蓄膿症を誘発してしまうことがあります。
子宮蓄膿症にかかった犬は、食欲の低下、下痢や嘔吐、脱水症状などの症状を引き起こし、乳腺から膿汁が出るようになります。この子宮蓄膿症を放置すると、最悪の場合破裂し、腹膜炎を引き起こします。
特に高齢の犬は、想像妊娠を繰りかえすことで、体力を消耗し抵抗力を弱めてしまうので、他の病気を発症しやすくなり、子宮摘出などの手術をしなくてはならない場合も多にしてありますので、早めに獣医へ相談することをお勧めします。
そして、出産経験がある犬は、偽妊娠を起こしやすいと言われています。
状況に応じて適切な対応をしてあげることで、犬も飼い主も、精神的・身体的に楽になることができると言えるでしょう。

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